Zenn Dev Minipoisson Articles Gemini Hallucination Google Services
【実録】GeminiはGoogle自社サービスの夢を見るか? ―― ハルシネーションの実例・傾向・対策
- URL: https://zenn.dev/minipoisson/articles/gemini-hallucination-google-services
- 日付: 2026-06-26
- Tier: Tier 3
- 要旨: GeminiがGoogle自社サービスについてハルシネーションを起こした実例3件を、実際のチャットログとともに記録・分析した記事。translate_image という存在しないTranslation APIメソッドを自信満々に生成し続けた件、GASエディタでTypeScriptが直接使えると誤案内した件、NotebookLMのグループ共有が可能と誤案内した件を扱う。命名規則のパターン補完(translate_text/translate_documentがあれば translate_image もあるはず)や、WebUIとAPIの混同が主因として考察されている。業務でAIを使う際の実践的な対策として、公式ドキュメントURLの要求・他AIによるクロスチェック・時間軸を明示したプロンプト・「できない理由」を先に聞く手法なども具体的に紹介している。
詳細
実例1: translate_image ハルシネーション(最も根深い事例)
Geminiが提示したコードの問題箇所:
- image_payload キーが存在しない
- client.translate_image() メソッドが存在しない
- response.translated_image フィールドが存在しない
Geminiの誤りの上塗りパターン:
- pip install –upgrade でライブラリ更新を提案(根本原因ではない)
- v3beta1 への変更を提案(効果なし)
- Pylanceの型チェックを # type: ignore で無視するよう提案
GitHub Copilotは同じ質問に対して「translate_image は存在しないメソッド」と即座に正確に回答。
根深い理由の分析:
- パターン補完: translate_text・translate_document が実在するため translate_image も存在すると推論
- WebUI・API混同: Google翻訳WebUIの画像翻訳は内部エンジン使用でありAPIとして非公開
- 用語衝突: OpenCVなどで translate_image(画像の平行移動)という関数名が学習データに大量存在
実例2: GASでTypeScript直接使用の誤案内
- 事実: 2026年時点でも標準GASエディタで .ts 直接実行は不可。clasp が必要
- Geminiの対応: 「お客様のアカウントが異常な状態」として環境のせいにした
実例3: NotebookLMのグループ共有誤案内
- 事実: 個人版NotebookLMでは @googlegroups.com アドレスは非対応(Enterprise版のみ対応)
- Geminiがこの件では誤りを認めた理由: 即時フィードバックが得られ、検証が単純だったため
ハルシネーションのレッドフラグ:
- 「〜は存在はします。ただし〜」という構造(存在を認めながらユーザー側に帰責)
- バージョン番号や「特定リージョン限定」などの過剰な具体性(ワーキングメモリを占有して批判を後回しにさせる)
- 「お客様のアカウント」「環境の問題」への転嫁
- 全面肯定のあとに来る「微調整アドバイス」
対策:
- 公式ドキュメントのURLを要求して実際にアクセス確認
- 他のAI(Claude、GitHub Copilot、Perplexity)でクロスチェック
- Pylanceなどの型チェックを事前検証に活用
- 「2026年現在、一般公開されているAPIの仕様に基づいて」と時間軸を明示
- 「できない理由・制約を先に教えて」と問う